ファッションバイヤーという職種の行く末を考えた話

 半年に一度の繁忙期。繁忙期ゆえに仕事は溜まっていく中、このブログがテスト期間の部屋の片付け的なポジションを獲得しつつあり、それゆえに、書き出すと長くなってしまう現象に新たに名前をつけたい。舟橋です。

 この時期になるとセレクトショップのバイヤーとしての醍醐味を味わうわけですが、そんな折にタイムリーなニュース。

prtimes.jp

 あのLINEさんがファッションの作り手と私たちバイヤーをつなげるプラットフォームを始めるそうで、とても興味深く拝見しました。うまく実現すれば、私たちバイヤーにとっても、消費者にとっても素晴らしいサービスだと思うので、楽しみです。

と同時に最近のIT×ファッションをきっかけに色々と思ったことがあったので、本日はその話。

 

【ファッションバイヤーは消え行く職種なのか】

 テクノロジーの進化で、「今後10年で消える職業」なんていう記事が一時期バズりましたが、内容は単純作業の職種から淘汰され、最終的にはクリエイティブワークの需要が高まるという趣旨でした。では、ファッションバイヤーはどうなのかというと、いかに人工知能が発達しようとも、アートやファッションといったクリエイティブな領域を「編集する」という作業が機械に代替されてしまうことはないと高を括っているので、しばらくは機械によって消えることはなさそうです。

 しかし事態を別の角度から見ると、機械そのものからは「編集力」という虎の子を守れている一方、他業界に遅れをとりながらも、ファッションビジネスにおけるありとあらゆる物理的・金銭的・精神的障害をテクノロジーが解放した結果、ファッションバイヤーという職種に残る「編集する」というコアは、今後すべての人に解放されます。1億総バイヤー時代の到来。その意味では、旧来のファッションバイヤーという職種は消え行くとも言えるかもしれません。

 

【ファッションでも調達と編集の分業が進む】

 こうなってくると容易に想像できる、というか既に始まっているのが、ファッションにおける商品の調達・販売と編集・発信の完全な分業化。

 前者はとにかくありとあらゆるファッションブランド、アイテムをできる限り広範囲に取り扱い、ストックし、迅速に消費者に届けることが主な役割。俗に言うプラットフォーマーですね。後者は企業・個人問わず、とにかく様々なツールを用いて、情報や商品を編集・発信して消費者に需要喚起を行い、例えば購入に至れば上記のプラットフォーマーから販売手数料等を貰うという、アフィリエイトそのままの仕組み。バイヤーというよりはキュレーターでしょうか。

 ファッション以外の商材では当たり前の仕組みではありますが、「編集する」という付加価値が他の商材に比べて圧倒的に高いのがクリエイティブ産業の面白いところ。ここに高付加価値があることで、他の商材とはまた違った職種が独立して存在しうる可能性があります。モノ系SNSinstagramはその最たるツールなので、今後どのように収斂していくか個人的にも興味が尽きません。

 

【理想のファッションバイヤーとは】

 散々、ファッションバイヤーは消え行くと自らの首を絞めることしか書いていませんが、どんなに職種として開放されようと、その中で違いを出して、結果を残すのがプロであり理想だとしたら、それはどのような人なのでしょうか。

 正解があったら苦労しないのですが、一つ思うには、編集した「モノ」や「コト」はもちろん、その人自身、「ヒト」にお客様がついてきてもらえるのが最終的にはゴールなのかもしれません。カリスマとも違う、これからの時代に沿った「ヒト」であること。。なんとも、バイヤーという話から随分大きな話になってしまいましたが、日々模索しながら業界の末席で今日もせっせと働きます。

 

【本日のお仕事の話】

f:id:hynm_studious:20150418035956j:plain

 お近くの方は、是非。

 

それでは、また。